3/16【なまける人びと―アマゾンの自然と先住民の生活】

昨年末に亡くなられた水木しげるさんは、太平洋戦争の際にニューブリテン島現地民ののんびりした南国生活に憧れ、マイペースを生涯大切にし続けたそうです。いわゆる「原住民」の暮らしぶりを学ぶことは、現代日本での生き方や人間の本質に対する洞察を与えてくれるかもしれません。今回は、アマゾンで原住民の研究をしている大橋さんから人類学のお話を伺います。
 

→参加登録はこちら!←

 
以下、発表者による告知になります。

—————————–

 舞台は、世界で唯一未だに「文明」と接触していない「非接触集団」がいるといわれているアマゾンの森です。(なお、最近は彼らのことを「未」接触集団ではなくて、「非」接触集団といいます。それは、彼らはなかば意図的に「文明」から離れていると解釈されていて、また間接的には「文明」と接触しているからです。)日本では、アマゾンの先住民と聞くと、このイメージが強いと思います。
 この書き出しをしておいて申し訳ないのですが、ここでは、そうした「原始的」な人びととは反対に、積極的に「文明」をとり込んでいった人びとにフォーカスします。わたしは2008年から、パノ系シピボ(Shipibo)を対象に生活の変容について、とくには大航海時代の征服の再来ともいわれる国際協力の影響を研究しています。シピボは新しい物好きです。彼らはアマゾン在来のキャッサバではなく1600年以降に南米大陸にやってきたバナナを主食としています。
 彼らはアマゾンの先住民のなかでもとりわけ、「働かずとも食べている量の多い」(≒労働投下量が少ないわりに摂取カロリーの高い)人たちなのですが、では、なぜそうしたことが可能なのでしょうか。
 アマゾンという自然環境が豊かだからでしょうか。それとも、バナナという作物に特別な力があったのでしょうか。将又、シピボは他者の畑の作物を盗んでいるからなのでしょうか。
 ここでは多くの写真を使って「今を生きる新しい物好きな先住民の生活」をお伝えしながら、「アマゾンで人びとがなぜそんなになまけられるのか」について、わたしの考えをお話しようと思います。

【1分間のスピーチのテーマ】
・国際協力についてどう思いますか。
・アマゾン先住民のイメージを聞かせてください。
・アマゾンに行ってみたいですか。
(複数回答可でも、どれかでも)

【発表者プロフィール】
大橋麻里子
アマゾン地域研究、環境人類学
東京大学大学院農学生命科学研究科単位取得退学。博士(農学)
日本学術振興会特別研究員(PD)/一橋大学社会学研究科
最近の関心事:文字以外の表現媒体を試行錯誤してみたいです。

—————–
三文会では発表者を募集しています。
興味のある方はsanmon-core@logitoy.jpまでご連絡ください!


参加費(朝食込み):学生 600円、社会人 1200円(朝食抜きの場合は、400円、800円とします)

参加連絡は参加確認フォームからお願いします。※ちなみに毎回このようなお弁当(スープ・コーヒーつき)が出ます。

朝7:40開始、9:00終了(予定)、その後も1時間ほどはフリーに喋っている人も多いです。

会場の最寄り駅は、本郷三丁目(徒歩15分)、東大前(徒歩10分)、春日駅(徒歩15分)です。本郷6-2-9のマンションの2階になります。

会場は、東大正門(赤門ではありません)前、ファミリーマート左隣のビルの2階、「モンテベルデ」という喫茶店です。

————————

カテゴリー: 次回予告 パーマリンク

コメントを残す