さて、今週の三文会は、4月21日(水)AM7:30(開場)より、モンテベルデで行います。
ふるってご参加ください。
「脳科学という企み、という企み」というテーマで、大学院での研究計画をお話しいたします。今日、マスメディアでは「脳を鍛える」「脳にいいことだけをやりなさい」と語る「脳科学者」があふれています。
しかし、「脳科学」は、今のところ1964年以前に用例が見つからない比較的新しい言葉です。
英訳の“brain science”に至っては、英語圏の研究者が「赤ちゃん言葉のようだ」と笑ったとの話もあります。
「脳科学」は、神経生理学、コンピューター工学、認知科学の一部の研究者が1980~90年代に、研究資源を得るために作り上げた「企み」ではないか、というのが私の仮説です。
原子力に予算を依存する体質を脱却しようとした科学技術庁の官僚のかかわりを指摘する声もあります。
「脳科学」は、官学の歯車が見事にかみ合ったプロジェクトといえるかもしれません。
現在、「企み」の集大成とみられる理化学研究所脳科学総合研究センターで史料を調査しています。
調査中のため荒削りな発表になりますが、理系の方はもちろん、行政にかかわりのある方のご意見もお待ちしております。
1分間スピーチのテーマ
「脳科学のイメージ」
(発表者)
東京大学大学院 学際情報学府 学際情報学専攻
文化・人間情報学コース 佐倉統研究室 修士課程
熱川豊紘(にえかわ・とよひろ)NIEKAWA Toyohiro