本日の三文会には、13人の方が集まりました。
本日は、東京大学サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S)特任研究員の杉山昌広さんをお呼びして、「入門:地球温暖化とエネルギー」というタイトルで話をしていただきました。
来週は、新領域の修士課程を卒業して、ITベンチャーを経営している笹尾さんが、「プログラミング言語とその周辺」というタイトルで発表してくださいます。参加予定の方は、登録をお願いします。
だんだん寒くなって、朝起きるのがつらくなっていくと思いますが、盛り上げていきましょう。
1分間スピーチ
- 伊藤(工学系修士2年):自転車を買った。浜松の実家まで箱根を越えて帰ってみようと思っているので、自転車に詳しい人はアドバイスください。
- 神谷さん(法学部4年):結婚と法についてゼミで考えている。
- 西川さん(早稲田大学):最近、経営学のゼミに入った。夜、勉強しようと思って、ファミレスに行ったら、お金が足りなかった。
- 野間さん(農学部卒、ロジトーイ):旅行で、米子までサッカーをしに行ってきた。米子は商業都市、松江は城下町という違いにびっくりした。
- 竹内さん(医学系博士2年):疫学を研究している。たばこを吸うと肺がんになる確率が○倍になりますという倍率を出すのが自分の仕事。環境三四郎で、割り箸についてのレポートを出しているので、見てほしい。
- 山崎さん(東京海洋大学):ロジスティックスを専攻している。オリンピック招致のために活動している。
- 笹尾さん(新領域卒):先週末、旅行に行ってきた。川くだり、もみじ鑑賞などしてきた。短距離、長距離どちらでも、自転車で走った場所を記録するのによいツールがあったら教えてください。
- 清水さん(慶応義塾大学):山手線を徒歩で、16時間くらいかけて、1周してきた。秋葉原に夜に行くと誰もいない、朝のターミナル駅に行っても誰もいないのが、おもしろかった。東京のドーナツ化現象を感じた。
- 谷藤さん(工学系修士2年):アメリカとカナダを9000kmくらい走った経験あり。「未来を描こう、語ろう」という講演会を予定している。チャリで静岡県を走るのはつまらないので、やめておくのをオススメする。
- 浅羽さん(文学部4年):親知らずが出始めている。痛くならないよい方法があったら、教えてほしい。
- 斎藤さん(工学部4年):最近、研究室にアメリカから客員教授が来ている。その人が書いた、超伝導用の実験の教科書がすごい厚さ。それだけ気をつけることが多いのかと驚いている。
- 鈴木さん(医学部5年):寿司を食べるのが好き。秋葉原付近に引っ越してきたので、付近のいいすし屋があれば教えて欲しい。地球温暖化して、海洋資源が枯渇する前においしい寿司を食べにいこうと思っている。
- 杉山さん(東京大学サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S)特任研究員):アメリカに留学していた。今のオフィスメイトがインド人なのだが、日本語があまりに流暢なので、ちょっとショックだった。
その後、朝ごはんを食べながら、改造マリオや、世界にあるドラクエのダンジョンっぽい観光地の話で、大いに盛り上がりました。ファミコン、スーパーファミコン時代のゲームは、この世代には共通の話題ですね。
入門:地球温暖化とエネルギー
はじめに
地球温暖化は止まらない。何度まで温度が上昇するのかは分からないが、その傾向は確実。
炭素循環のスケールが何千年のレベルなので、今、出した二酸化炭素が元に戻るまではすごく時間がかかる。
地球温暖化対策には、地球全体のエネルギーインフラの入れ替えが必要。現在の一次エネルギーの供給源は、石炭、石油、ガスといった、ものが多く、再生可能エネルギーはすごく少ない。石炭から炭素を取り除く技術を広めるか、再生可能エネルギーに入れ替えるか、という、既存技術の総とっかえが必要。
インフラを入れ替えるのは、数十年規模で時間がかかるので、だんだん始めていく必要がある。
温暖化は、早ければ2050年くらいから大きな影響が出てくる感じ。
アメリカ、日本の温暖化対策
アメリカは連邦政府を除いて(ブッシュを除いて)、よく動いている。中でも上院はかなり熱心にやっている。大統領がブッシュから変わったら、アメリカ全体の流れが変わるかも。さらに、州レベルでは、すごく熱心。
MITに留学していたのだが、MITでは、エネルギー関係はすごく盛り上がっている。学長が気合を入れて、エネルギー関係に取り組んでいる。
アメリカ全体に環境関係に投資ブームが起きている。IT、バイオの次に環境が来るという話になっている。ボストン周辺でも、エネルギー関連会社がクラスター化している。
日本は京都議定書対策は頑張っているが、長期対策については遅れている。しっかりと制度設計をしないといけない。日本でITベンチャーはそこそこ出てきているが、環境ベンチャーも頑張ってもらいたいと思っている。
どうして、排出権取引、環境税が必要か
誤解を恐れずにものすごく簡単にして説明する。
・炭素税がないと
太陽光発電:20円/kWh
石炭火力発電:3円/kWh
・炭素税があると(ここで石炭火力発電に20円の環境税を加えた場合を考える)
太陽光発電:20円/kWh
石炭火力発電:(3+20)円/kWh
となり、太陽電池がコスト的に石炭火力発電と同じレベルになる。そして、需要が伸び、生産が進むと、価格が安くなり、炭素税が少なくてすむようになる。
環境対策としては、炭素税に取り組む意味があるが、日本では制度設計が遅れているので、経済団体などに頑張ってもらいたい。
その他の話題
- 笹尾:最近、Googleが太陽電池を使うという記事が出ていた。電力に何かあれば、サービスに問題が生じてしまう。サーバーを安く運営するために、電力が大きなファクターになっているのだろう。
- 谷藤:夏の電力ピークの時間と太陽光の効率が高い時間がマッチしているので、うまく組み合わせることができるという話を聞いたことがある。
- 野間:不良品のシリコンウェハーを太陽光電池に応用するという技術が新聞に載っていた。このまま太陽光発電が普及しても、シリコンが足りなくなるかもしれないが、それが解消されるかも。
- 杉山:カリフォルニアに太陽光の設置だけをするベンチャーがある。ローンと組み合わせて、アメリカ人の得意な金融工学的な業務をする会社。
- 杉山:ガソリンの値段が上がるのが、一番インパクトがあるかもしれない。省エネは動き出すだろう。車について言うと、短期的に見ればあまり乗らなくなるだけからも知れないが、長期的に見れば次の車を買い替えるときに省エネ車を選ぶなど、大きな影響がある
- 杉山:日本での二酸化炭素排出について、産業部門は優秀だが、運輸や民生が増えている。しかし、産業界が作ったものを使って、二酸化炭素が出ているという側面もあるので、産業界自体の消費を抑えればいいという問題でもない。産業界は、環境対策を進めると会社が損をしてしまう可能性もあるので、取り組みにくいかもしれない。(例えば、電力の料金が上がれば、環境対策的にはいいかもしれないが、電力需要が減るため、電力会社としてはマイナスになる)
- 杉山:余談だが、ネイチャーにSayonara, sushi…という記事があった。