今回は、東京女子医科大学を卒業した横田さんが、南インドへのみんなとはちょっと変わった卒業旅行について話してくれました。同級生3人と2週間の卒業旅行ということでしたが、なんと宿泊先はホスピタル、それも「入院する」という形で、滞在中には現地のセラピスト養成コースでアーユルヴェーダスクールに通ったということで、そんな旅行の方法もあるのかとびっくりしました。4月からの研修医生活の前に、関心分野の知識を深めたかったということで、スクールでは毎日朝から講義・実習、最後にテストまで受けたといい、その熱意には脱帽します。さて、主な旅行先の南インド・ケララ州は、不衛生、治安が悪いといった旅行前のイメージと違い、みな物腰がやさしく、英語が通じ、クリスチャンが多く、ヤシの木がたくさん生えている・・・といった場所だったそうです。滞在先のホスピタルの食事(病院食)は最高においしかったそうで、オールベジタリアン食、1日3食チャイ付きで、主食はタイ米、チャパティー、イドリー、ロティなど種類豊富だったようです。他に、街のファミレスではやっていたビリヤニという炊き込みご飯がおいしかったみたいです。おいしそう~な写真をたくさん見せてくれました。
気になる入院生活についてですが、医師は全員アーユルヴェーダドクターで、まず初めに問診を受けたそうです。その後も、「トリートメント」として朝のナース回診、朝食後に青い錠剤の服用、就寝前に甘酸っぱい黒いペーストをスプーン一杯とるなどしたようで、旅行の健康状態は良好だったとのこと。週末には、『ナショナルジオグラフィック』誌上で「生涯に訪れるべき50の場所」に選ばれたアレッピーのバックウォーターにもアクセスが良く、さまざまなプログラムがあるマラリ・ビーチリゾートにも行かれたそうです。ここで、アーユルヴェーダとはAyur(Life)+Veda(Knowledge)で、毎日を健康に幸せに生きるための5000年以上前の知恵で、予防医学の概念があり、さまざまなものが含まれオイルマッサージやヨガは氷山の一角に過ぎません。中でも興味深いのが3つのドーシャ(病因素)、すなわちヴァータ(風)、ピッタ(火)、カパ(水)のそれぞれの勢いが増すと人は病気になり、この3つのドーシャを内服、トリートメント、ヨガなどで調節していくという考え方です。日本ではアーユルヴェーダといえば、トリートメントは比較的簡単に受けられるものの、医療としての普及は遅れているのが現状で、その心身への効果をもっと見直してもいいのではないかというお話でした。西洋医学と比べてともすれば効果に疑問がもたれることもあるだけに、医学を専門とする方からそのような話が聞けたことはとても興味深く、また共感できるものでした。他に、アビヤンガ、エロダーラ、タルパラ、など数々のマッサージやその他のトリートメント等について自分も受けたくなるようなインパクトのある写真とともに紹介があり、また、現地の木刀のようなものを用いた競技に新鮮さを覚え、そして、これまで飲んできた飲み物とどれとも比較しがたい香りの漂う、なんとも形容しがたい味の現地の飲料を一口いただき、パワーをもらいました。ぜひアーユルヴェーダの知恵をかりて、心身の健康を増進していきたいと思いました。また、どんな卒業旅行をしようか、今から気になるところです。