こんにちは。冬の足音が聞こえてきた今日この頃いかがお過ごしでしょうか。
さて、運営の私はインフルエンザの予防接種をどうしようか迷っていますが、
今週の三文会は笠原さんによる「ウイルス」のお話です。
家畜の伝染病に比べて話題になることが少ない植物の病気ですが、その影響は勝るとも劣らないかもしれませんね。
参加される場合は、お申込みをお願いします。
(食事の用意の都合もありますので、参加表明をお願いします)
以下、紹介になります。
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こんにちは、東京大学大学院新領域創成科学研究科の笠原慧と申します。農学部上がりの修士2年生で、大学院では「トマトに感染するウイルスが昆虫によってどのように媒介されるか」を研究しています。
さて、今回登場するのは「生物と無生物の境目」とも呼ばれるウイルス。ウイルスと言えば、インフルエンザなど恐ろしい病原体という認識がある一方で、どうも得体の知れない不気味なイメージがあるのではないでしょうか?
植物や動物、菌類なら目に見えますが、ウイルスは小さすぎて見えないのもその理由の1つでしょう。
今回の発表では、彼らの「姿かたち」「生き様」「生存戦略」を明らかにし、ウイルスがいかに狡猾で巧妙な物体であるかをお伝えしたいと思います。
注)ウイルスが「生物」か「物体」かは議論が分かれるところですが、今回は「物体」として扱います。
それでは少しだけ内容予告を。
ウイルスは数十ナノメートルのタンパク質の殻にDNAまたはRNAが入った、きわめてシンプルな形状を持ちます。たった数種類の遺伝子しか持たない彼らは、驚くほど緻密な戦略により生き残りを図ります。今回は特に5つの戦略、すなわち、①どうやって宿主に感染するか、②どうやって自己を複製するか、③どうやって遺伝子を発現するか、④どうやって宿主の体内を移動するか、⑤どうやって宿主の抵抗に打ち勝つかを、できるだけやさしく解説したいと思います。
ウイルスの生存戦略を紹介するにあたっては、ウイルスの中でもややマイナーな植物ウイルスを取り上げます。
よく「植物にもウイルスが感染するんだ!?」と言われますが、植物ウイルスは作物に大きな打撃を与えるため、実は極めて重要な学問分野なのです。植物内で、植物とウイルスの熾烈な戦いが起こっていることは意外かもしれません。
今回の三文会では、シンプルな形からは想像できない、ウイルスの緻密な生存戦略に迫ります。
11月20日の朝、少しだけミクロな世界に想いを馳せてみてはいかがでしょうか?
【1分間スピーチのテーマ】
バイオテクノロジーに関して、あなたはどんなイメージを持っていますか
【発表者】
笠原慧
東京大学大学院新領域創成科学研究科
三文会では発表者を募集しています。
興味のある方はsanmon-
参加費(朝食込み):学生 600円、社会人 1200円(朝食抜きの場合は、300円、600円とします)
参加連絡は参加確認フォームからお願いします。※ちなみに毎回このようなお弁当(スープ・コーヒーつき)が出ます。
朝7:40開始、9:00終了(予定)、その後も1時間ほどはフリーに喋っている人も多いです。
会場の最寄り駅は、本郷三丁目(徒歩15分)、東大前(徒歩10分)、春日駅(徒歩15分)です。本郷6-2-9のマンションの2階になります。
会場は、東大正門(赤門ではありません)前、ファミリーマート左隣のビルの2階、「モンテベルデ」という喫茶店です。